Friday, May 16, 2008

明治・大正時代の文学における主たる人物についてのノート

二葉亭四迷 (1864-1909)   「小説総論」 (1886)

b. 江戸。小説家。

「未完に終わったが「浮雲」は「小説総論」のリアリズムを具体化したもので、言文一致で書かれた最初の本格的な近代小説である」(千葉、21)。逍遥の指導のもとで「浮雲」(1887-89)を発表。ロシア文学からの影響が十二分の主人公(いわゆる superfluous hero)に見られる。 1869年から1909年にかけてはロシア文学のさまざまな偉大作家を和訳。結婚二回。ロシアから帰国途中に定期船で死んだ。

ベリンスキーの「美術の本義」からの影響も強いとされる。 意(アイデア)を形(フォーム)より重視すべきことと小説の目的にすべき模写を指摘。「逍遥の素朴な写実論を批判する内容となっている。『実相を仮りて虚相を写し出す』ものこそが小説である」と千葉氏に指摘される。

「本論は坪内逍遥の「当世書生気質」を批評するために書かれた「小説本義」である。「形」に比して「意」を重視する立場を明らかにした前半部は、二葉亭自身も翻訳したロシアの批評家ベリンスキー「美術の本義」をふまえている。また小説における「模写」の重要性を論じた後半部は、逍遥の「小説神髄」の素朴な写実論を批判する内容となっている」(千葉、21)。

『其面影』は1906年に出版。主人公は 性的不能者。
『平凡』は 最後の作品。

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